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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「薔薇の血潮 上・下」タニス・リー著

「薔薇の血潮 上」 タニス・リー著/

安らかにまどろむ領主の息子を、怪異が襲った。黒い花の如き蛾が、幼子の体を持ち上げて天井から放り出したのだ。重傷を負い片腕がきかぬまま彼は二十一歳になった。領主の後継ぎゆえに、敵対する家の捕虜を殺さねばならない。古の異教の儀式。だが彼の前に、巧妙な罠が待ち構えていた。幾重にも重なる幻惑と変化。闇の女王タニス・リーの精髄。ダークファンタジーの大作登場。

「薔薇の血潮 下」タニス・リー著/

母であり、父であり、そして神でもある森。“選ばれし者”たる少年は、“森の男”の元で暮らしていた。生贄として“樹”に捧げられる運命。だが儀式が最高潮に達したとき、領主の兵の剣が“森の男”を貫いた。切り倒された“樹”に吊るされた少年は、死は免れたものの、もはや元の彼ではなくなっていた。読む人を惑わし迷宮じみた物語の胎内に虜にする、タニス・リーの真骨頂。

↑本の内容紹介から。

「血のごとく赤く」や「悪魔の薔薇」など、短編集が好みなタニス・リーの新刊ということで、飛び付きました。
(とはいえ、原書は既に二十年前に出ていて。日本で初訳なだけ)
個人的に、リーの初長編です(「堕ちたる者の書」「幻獣の書」を大昔に読んだことがあるけれど、覚えてないので、気持ち的には初ということで)
いや、もう、大変好みでした。
色彩表現が豊かで、闇の冷たさを感じるような、硬質でいて華麗な文章がもう、うっとり。
それだけでも十分満足なんですが、世界観がまた私が好きな中世アイルランド(修道女フィデルマシリーズの影響)を彷彿させます。
キリスト教(この物語では、クリストゥス)においては異教となる古の儀式――など、ね。
個人的に馴染みのある世界観で物語られるお話は、五つの章で綴られ、それぞれ主人公(というか、メイン人物)が入れ替わります。
幼い頃に魔物に襲われ身体が歪んでしまった領主の息子メカイル、主の目的のために肋骨から作られた女アニリア、古の儀式に捧げられた生贄の少年ジュン――と。
それと同時に、章が変わるごとに時が前後に跳ぶので、戸惑うのだけれど少しずつ関係性が見えてくる。
(そうして、あの人がこの人だったのか!みたいな)
身体が不自由になったことで、満足に動けない自分とは別の弟に鬱屈を抱えるメカイルの章では、その肝心の主人公が(殺されて)、えっ?
ビックリしつつも、その後(生き返る)ことで、ああこれは「吸血鬼」ものなんだなと。
×××モノの創造主への復讐ものか、支配からの脱却ものか。自我を得る話か。
誰に焦点を当てるか、また読む人によって解釈は変わって来るかと思います。
それぞれが何らかの「」を迎え、また別の形で「生き返る
人とは違う存在のなか、かの人が彼に執着したのは、彼が人として生まれたからではなかったのだろうか、など。
読後の余韻に浸りながら、色々と解釈しては答えを探すのもまた楽しい。
個人的には超然としたアニリアが好きだったな。

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