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2013(Sat)

「銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件」アンドリュー・カウフマン著/

読感/翻訳小説

「銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件」アンドリュー・カウフマン著/

ある日、カナダの銀行に紫色の帽子をかぶった強盗がやってきた。彼はその場にいた十三人から“もっとも思い入れのあるもの”を奪い、去り際にこんな台詞を残した。「私は、あなたがたの魂の五十一%を手に、ここを立ち去ってゆきます。そのせいであなたがたの人生には、一風おかしな、不可思議なできごとが起こることになるでしょう。ですがなにより重要なのは―その五十一%をご自身で回復させねばならぬということ。さもなければあなたがたは、命を落とすことにおなりだ」その言葉どおり、被害者たちに奇妙なことが起こりはじめる。身長が日に日に縮んでしまったり、心臓が爆弾になってしまったり。母親が九十八人に分裂した男性もいれば、夫が雪だるまに変身した女性も…。いったい、なにがどうなっているのか?

↑本の内容紹介から。

銀行強盗に遭遇した13人は強盗に思い入れのある物を奪われる。その日から、身体が縮む人、心臓が爆弾になる人、身体がキャンディなる人と、それぞれの身におかしなことが起こり始めて――という、奇妙奇天烈なお話。
お話はタイトル通り、銀行強盗にあって縮んでいく妻の、夫が語り手。
彼が妻から聞いたという(多分、全ての出来事が終結した時点から回想するような)形で綴られています。
文章はシンプルで、挿絵も入っており、120ページと短い。
でも各エピソードに秘められた比喩は奥深いと言いますか。
意味が掴めないと、へんてこなお話なわけですけど。
(でも、掴めなくても、その変なさが面白いので、大丈夫! 訳者あとがきに解説もあるので、わけわからなくても、心配せずに読むと良いです!
そこに込められた意味を探るのも面白い。
思わず、誰が何を奪われ、どんな奇妙なことが起こったのか、ノートに書きだしてましたよ。
各個人に起こる出来事はそれぞれで、上記に書きだした以外にも、タトゥのライオンに追いかけられたり、また夫が雪だるまになってしまったりと。
何事もなく終わる人もいれば、悲劇にと。どんなことが起こってどういう結末を迎えるのはわからず。
そうして読み終えても比喩の意味を掴み兼ねたエピソードも、訳者あとがきを読んで、思わず「なるほど!」と感嘆します。
特に、心臓が爆弾になる女の人の話については、「ああっ!」と。
何度も読み返したくなる、面白いお話でした。
シルエット画による挿絵も素敵(それはここで一部、見ることができます)⇒「こちら
銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件
(2013/09/11)
アンドリュー・カウフマン

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