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2013(Wed)

「ボリバル侯爵」レオ・ペルッツ著

読感/翻訳小説

「ボリバル侯爵」レオ・ペルッツ著/

1812年、スペインに侵攻したナポレオン軍に対し、ラ・ビスバル市ではゲリラによる反攻計画が噂されていた。民衆から偶像的崇拝を受ける謎の人物ボリバル侯爵が、叛乱の口火を切る三つの合図をゲリラの首領に授けたことを察知した占領軍は、これを阻止しようとするが……。 『夜毎に石の橋の下で』のペルッツが、ナポレオン戦争中のスペインを舞台に、巧緻なプロットと驚異のストーリーテリングで読者を翻弄、ボルヘスが絶賛した幻想歴史小説。

↑本の内容紹介から。

ウィーンを舞台にした幻想歴史小説「夜毎に石の橋の下で」が良かったレオ・ペルッツの新刊が出るということで、飛び付きました「ボリバル公爵」。
お話はある人物の回想録が発見されたところから始まります。
ナポレオン軍に所属するドイツの連隊が壊滅したことが記されていて、これを著者が編集したという前書き。
そして回想録としてその連隊に所属していたヨッホベルク少尉の一人称で綴られます。
時代はナポレオンの勢力が拡大しつつある頃。舞台はスペインです。
(ナポレオンで、スペインで、何でドイツ?と思いましたが、その辺りは訳者あとがきで解説されていて勉強になります。但し、あとがきは最後に読む!
ゲリラを指揮するボリバル公爵が反乱への三つの合図を教える場面をある人物が目撃し、ヨッホベルク少尉たちは阻止するはずなんですが――これが、ねえ。

何故か、阻止するはずが……(じ、自分たちでその合図を出してんだけど!

という、ビックリするような展開に。
え? ええっ? こ、この人たち馬鹿なんじゃないの?
この見解は、訳者あとがきでもしっかり書かれていたので、私だけの感想ではない!

こうして肝心のボリバル侯爵は(不在)なのに、坂道を転がるように悪い方へ転がっていく。
ナポレオン軍のドイツ連隊が壊滅したのは、ゲリラを指揮するボリバル侯爵の不思議な力か、災いの中心にあって死ぬことが叶わない男の呪いか、恋に狂った男たちの愚かしさか?
(馬鹿じゃないかと思ったけれど。実際人間は、やっちゃいけないと言われていることをやってしまうような愚かさも持っているわけで)
これが妙に説得力ある感じで、グイグイと読まされました。
面白かったです!

ボリバル侯爵ボリバル侯爵
(2013/11/22)
レオ・ペルッツ

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夜毎に石の橋の下で夜毎に石の橋の下で
(2012/07/25)
レオ・ペルッツ

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