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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「影を買う店」皆川博子著

「影を買う店」皆川博子著/

〈作家M・Mが常連の喫茶店に通う私が気付いた、この店の密やかな性戯とは?(「影を買う店」)〉他、いっさいの制約から解き放たれた皆川博子の真骨頂が堪能できる至極の21編。

これぞ幻想小説の極み!

「本書に収録されている作品は幻想、奇想----つまり私がもっとも偏愛する傾向のもの----がほとんどです。
消えても仕方ないと思っていた、小さい野花のような、でも作者は気に入っている作品たち。
幻想を愛する読者の手にとどきますように」----皆川博子

【収録作品】
「影を買う店」「使者」「猫座流星群」「陽はまた昇る」
「迷路」「釘屋敷/水屋敷」「沈鐘」「柘榴」「真珠」「断章」
「こま」「創世記(写真=谷淳志)」「蜜猫」「月蝕領彷徨」
「穴」「夕陽が沈む」「墓標」「更紗眼鏡」「魔王 遠い日の童話劇風に」
「青髭」「連祷 清水邦夫&アントワーヌ・ヴィオロディーヌへのトリビュート」

↑本の内容紹介から。

「鳥少年」「結ぶ」少女外道」など、文庫化された短編集が出ていますが「影を買う店」は最新の「連祷」が収録された、比較的近年の短編が収められた短編集です。
写真とのコラボやタイポグラフィなどといった、型に縛られない自由な表現力で綴られた幻想小説集、21編収録。
異形コレクションという幻想小説系の媒体に発表しているから、皆川さんの本領発揮と言いますか。(やはり長編は読みやすさを意識されているんだなと)
でもこちらの短編集では皆川さんの文章が、硬質かつ端麗で妖麗で美麗。好き好き。
解説では「結ぶ」を読んでからこの作品集を是非読んで欲しいとありましたように、「夕陽が沈む」辺りは「結ぶ」の系譜といってよい。
結末は幻想に流れるけれど「柘榴」などは戦時が舞台で、歌うことすらままならない当時の時代背景など、女学生の戦時物語としても読める。また長編作品である「倒立した塔の殺人」と通ずるものもあり。
「陽はまた昇る」も奥には戦争の悲劇が隠されていたりと。そして短編集「蝶」を思い出したりと。
写真とコラボするというところでは、写真や絵を元にして小説を書いた「ジムの真昼」「絵小説」などと、今まで読んで来た皆川さんの作品が色々と思い出されては、また読み返したくなったりと。
「魔王」は北欧神話をモチーフに「青髭」は童話をリライトしたりと。
皆川さんの文章で好きな童話を読めて、嬉しい。何と贅沢なことか!
「猫座流星群」「陽はまた昇る」「釘屋敷/水屋敷」「柘榴」「穴」「夕陽が沈む」「更紗眼鏡」「魔王」「青髭」が特に好きです。
とっても良かった!

影を買う店影を買う店
(2013/11/19)
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