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2014(Sun)

「養鶏場の殺人/火口箱」ミネット・ウォルターズ著

読感/翻訳小説

「養鶏場の殺人/火口箱」ミネット・ウォルターズ著/

1920年冬、エルシーは教会で純朴な青年に声をかけた。恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう―。英国で実際に起きた殺人事件をもとにした「養鶏場の殺人」と、強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを描く「火口箱」を収録。現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮した傑作中編集。

↑本の内容紹介から。

普段あまり本を読まない大人に、また慣れ親しんでいないジャンルに、という。
読書普及目的の媒体に依頼されて書かれた二編の編が収録されています。

「養鶏場の殺人」は実際に起こった事件を元にした小説。
男が女の死体を切り刻んだ、という結果だけを見れば陰惨な事件。
だけど始まりから辿って行けば、自己中心的で何かあれば周りのせいにする女性と、その女性に強い態度に出れない男性が少しずつ追い詰められて――と。
結果は冒頭で空かされているわけだから、わかってしまっているんだけれど、どこかで止められなかったものかと。
そうして、(死体はバラバラにされたわけだけれど。実際に男が女を殺したか?という部分に疑問が残っているだけに)狂った歯車が回した運命が何とも苦い。

「火口箱」
殺人容疑で逮捕された男性の両親に向けられた悪意は――。
アイリッシュに対する偏見からなど、それらの対立が見えるものも見えなくしてしまうのが実に悲しい。
そんな社会問題に考えさせられつつも、意外な真相に驚かされて、ミステリとしても面白かった。
(イングランド人の警部とアイルランド人のシヴォーンが事件を巡って対立するのだけれど、最後の方のやり取りなども面白かったです)
あと、決して良い書かれ方ではなかったのだけれど、アイリッシュのたくましさの描き方は、アイルランド好きとしてはツボでした。
決して、良い書かれ方ではなかったですけどね!(大事なことなので二度繰り返す)

養鶏場の殺人/火口箱 (創元推理文庫)養鶏場の殺人/火口箱 (創元推理文庫)
(2014/03/12)
ミネット・ウォルターズ

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