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2014(Sat)

「緋の収穫祭」S・J・ボルトン著

読感/翻訳小説

「緋の収穫祭」S・J・ボルトン著/

「血の収穫祭」と呼ばれる伝統的な儀式が残る英国の小さな町。ある日、教会の墓地の塀が崩れて、そばにあった幼い少女の墓が壊れてしまう。だが墓からは、そこに眠っているはずのない二人の子供の遺体までもが発見された。少し前まで土には埋められていなかったようで、頭蓋骨には酷い損傷があった。この地でかつて何があったのか? 血塗られた町の秘密を暴く戦慄のミステリ!訳者あとがき=法村里絵

↑本の内容紹介から。

「三つの秘文字」「毒の目覚め」が面白ったS・J・ボルトンの新刊!(どれもノンシリーズです)
今回は先の二作が主人公の一人称だったのと違って、三人称、三人の視点で進んでいきます。
古い因習が残る町の教会の塀が崩れ、その近くの墓から埋葬された人物以外の幼い遺体が発見される――。
冒頭で、司祭のハリーが遺体発掘に立ち会います。
そこで発見された幼い遺体。その子をハリーは知っている――というところで、お話はハリーが舞台となる町に赴任してくる数ヵ月前へと遡る。
そこには教会の墓地の隣に新居を建てたフレッチャー一家。両親と弟と妹がいる10歳のトムがまたこのお話の視点となる少年。
そして幼い子を亡くした若い母親を診療している精神科医のエヴィの視点と三人を中心に綴られるお話は前半はもう、怪奇的な雰囲気満載で、怖い怖い。
そうして冒頭で発見された遺体が、もしかしてフレッチャー家の子供ではないか?と思うと、その子たちが魅力的に描かれているので、心配でハラハラ。
冒頭のシーンが丁度お話の半分で重なる(この辺りの構成は「毒の目覚め」でもおなじみの手法)
そこから今度は正体の見えない犯人の魔の手が迫りと――今度はサスペンス的な要素でハラハラドキドキと、怖い怖い。
登場人物の魅力は他の作品でも保証されている通り、今作は少年トムが良かったです。
妹を守ろうとするのだけれど(怪奇的な存在にトムがビクついている部分があるものの)過剰反応しているように思われて、精神を病んでいるのでは親に心配されたり、そしてトム自身が自分でも狂っているのではないかと思う場面は、切ないったら!
それでも一人で家族を守ろうとする健気さが!もう、ね!
ハリーとエヴィの出会いやその恋の行方など気になるところもあり、怖いけど先が気になると、ページを捲ってしまいました。
ただ、ハリーが神に仕えるようになった理由が語られていないので、ラストの選択もよくわからず、何だったんだ……という部分はありましたが
終盤に明かされた動機というか狂気など(何というか、犯人の思考の飛躍が「えっ? なんでそっち方面に行くの?」と理解できない狂気(犯人が壊れている、狂っていのだろうなというのはわかっているけれど)、色々と怖かった!
心臓が強い人にオススメです!(笑)

緋の収穫祭 (創元推理文庫)緋の収穫祭 (創元推理文庫)
(2014/04/12)
S・J・ボルトン

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