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松原冬夜

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「乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺」ラティフェ・テキン著

「乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺」ラティフェ・テキン著/

トルコ版『百年の孤独』といわれる中東文学の代表的傑作。郊外のゴミ処理場に住み着く人々と彼らが創りあげる幻想的でグロテスクな異界の物語を、ノーベル賞作家パムクと並ぶ実力派が描く。

↑本の内容紹介から。

トルコ版「百年の孤独」という触れ込みですが、残念ながら「百年の孤独」はいまだ、積読状態なので、どういう位置づけのお話かわかりません。
が、訳者の方がオルハン・パムクの「私の名は赤」の新訳版を手掛けられた方で、そちらの訳文がとても好みでしたので、訳文目当てで購入。
トルコのゴミの丘に出来上がった、風が吹けば吹き飛び様な一夜建て(一晩で建てられた掘立小屋のようなもの)の集落を舞台にしています。
特別な主人公などいない。いわばこの集落が主人公と言ってよいかと。
乳しぼり娘とタイトルにあるけれど、これは「女性」たちを現わしているのではないかなと(乳しぼり娘と称される人物は出てくるけれど、彼女一人の物語ということではないと私は思うのだけれど)
ゴミの丘に一夜建ての家が建てられるも、風で吹き飛ばされては、また違法建築なので、解体業者に潰される。
再び、ゴミの山になれば、そのゴミから家を建て直して――と。
丘の成り立ちから、それらの集落が定着し、発展していく様を集落を中心に綴られます。
そこに綴られているのは貧困に公害にDVなどと。
描かれているのは哀しくておぞましい事なのに、時系列をときには無視して語られるお話の、色とりどりのイメージの鮮やかさが現実感のない、夢のようでした。

~いつしかこの一帯は<花の丘の工場街>と呼ばれるようになった。さらに小さな繊維工場が加わって、<花の丘工場街>から青とか緑とか赤とかの鮮やかな排煙が立ち上がるに及び、<花の丘>の空は色とりどりの雲に彩られ、一夜建てには工場の雪と一緒に色とりどりの雨が降り注ぐようになった。
(P112)

訳者の方のあとがきでは、トルコ文学の実情などが語られ、政治色が濃いを語ることが難しいという。その辺り、オルハン・パムクの「雪」が何だか恋愛ものに落ち着いたことに「?」と感じていた部分に合点が言ったというか。
色々と、勉強にもなりました。
また、ここに書かれていることは遠い国の貧しさの一部分ではあるけれど。
日本の終戦後からこちら、こんな感じではなかっただろうかと想像してみたりすれば、おとぎ噺のような現実感のなさも、不意に冷たく沁みてくる。
読む人によって感じる部分はそれぞれに違うだろう、多彩なお話だったかと。

乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺
(2014/07/17)
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