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2014(Sat)

「狂える者の書 (パラディスの秘録)」タニス・リー著

読感/翻訳小説

「狂える者の書 (パラディスの秘録)」タニス・リー著/

パラディスは狂える者の都。あるいは、パラディスそのものが狂っているのか。汚染された街パラダイスに住む双子の兄妹。恋人殺しの疑いをかけられたパラディの女画家。役者に焦がれその身を投げ出したあげくに捨てられたパラディスの若い娘。異なる時、異なる世界のパラディス。だが狂気に搦めとられた彼らの運命は歪み、交わってゆく。闇の女王タニス・リーの幻惑に満ちた物語。

↑本の内容紹介から。

「幻獣の書」「堕ちたる者の書」「死せる者の書」に続く、ヨーロッパの架空都市パラディスを舞台にしたシリーズの最終巻。
とはいえ、パラディスを舞台にしているという共通点以外、特に繋がりがないのでどれから読んでも大丈夫。
単品でも、読めます!
今回は霧に汚染され狂気がはびこるパラダイスに住む、双子の殺し屋。
殺人の疑いをかけられて、パラディの精神病院に閉じ込められた裕福な女画家。
役者に恋をして狂ってしまったパラディスの商家の娘。
この三つの都市に住まう三人を軸に、お話は綴られていきます。長編です。
最初は単体のお話(時間というか、時代が違うので、都市の呼び名が変わっているのかと)だと思っていたものが、読み進めていくと別々の並行世界(パラレルワールド)だとわかり、それらの世界を行き来する人物がいて、あちらとこちらが繋がってと――徐々に関わり合ってくるのが面白い。
そしてまさかの××××国は予想しなかったというか。
一部、登場人物の境遇がなかなか辛くて、ズドーンとくるところがあったんですけれど。
読み終わってみると、妙に読後爽やかだったり。
(ネタバレ→一部を除いて、因果応報といいますか。
××××の国に旅だった彼らは幸せなのだろうと思えるし。
あと、パラディスの秘録の他の作品で、鳥の異形が出てきたけれど、そこで作られたおどろおどろしいイメージを、
今作でこういう形で裏切られたところをみると、あれらも一種の伏線(ミスリード)だったのかしら?と思うところも。

シリーズを通して、幻想怪奇小説の面白さを味わえて、良かったです。オススメ!

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