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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「中尉」古処誠二著

「中尉」古処誠二著/

敗戦間近のビルマ戦線。ペスト拡散防止の使命を帯び、メダメンサ部落に派遣されてきた軍医の伊与田中尉と、彼を護衛する尾能軍曹。ごましお頭の中尉の立ち居振る舞いは尾能の目にことごとく役職不適格に映るが、周囲の評価はなぜか十人十色。外部からの接触を遮断していた折も折、部落で若者の脱走と、武装強盗団(ダコイ)による伊与田誘拐事件が起こる。自分はいったいあの男のどこを見ていたのか―?懊悩する軍曹の心に疑念が浮かんでは消えてゆく。第一線を寡黙に支えた男たちの記憶をあぶり出し、静かに心揺さぶる人間ドラマ!戦争小説の新たな到達点!

↑本の内容紹介から。

「ルール」以降、戦争を題材にして書き続けておられる古処さんの新刊です。
敗戦間際のビルマの部落でペスト収束に従事する軍医・伊与田中尉(衛生兵二名)と彼らを護衛する尾能軍曹の部隊。
敗戦の報が聞かれ、ペスト収束を宣言したその夜に軍医がダコイに攫われて――。
お話は伊与田中尉が攫われた晩から、尾能軍曹が伊与田中尉との出会いへと遡った回想で綴られる戦争小説です。
古処さんのご本は全部読んできて、感想もブログをつけるようになってからは書いて来て、その度に古処さんがお書きになる小説の、誠実さというものをしみじみと感じます。
敵味方の善悪を断罪したり主張せず、賛美も自虐もなし。
今回の小説に限って言えば、戦場の悲惨さも死も暴力も書かれてはいない。
戦争小説って、陰惨で読むのが辛い――と思っている人は、読まず嫌いをせずに今作は是非手にとってください。
特に、現在の日本の在り方に違和感を覚えているような人には、そのざわざわしたものが明確に描き出されていると思います。
小説の前半は、伊与田中尉の出会いから中尉が攫われるまでが語られていますが、そのときの尾能軍曹は何だか今の日本の悪い姿を見ているよう……。
軍人とはこうあるべきという「形」や「枠」からはみ出る人を蔑み、他人の背景に目を向けず、自らの尺でしか人をはからない。
だから何でもないところを思い込みで、探っては疑心暗鬼で相手を傷つけ、敵を作る。
もう……読んでいて、ざわざわする。
視野狭窄が如何に思考を狭めるか、今の時代にも通ずることで考えさせられました。

あえて断定するなら、自分の義務を重んじすぎたのがむなしいのである。よく言えばわたしたちは実直すぎたのであり、悪く言えば愚直だったのである。それがために視野狭窄に陥っていたことは誰にも否定できまい。「もし日本に優秀な指導者がいたら今ごろ君たちはインドに駐留している」というインド兵の弁は「君たちは指導者に無関心すぎた」との意味にも取れる。 (P138)

そうして伊与田中尉が攫われ、敗戦を迎えたとき、ようやく尾能軍曹は自分の欠点を知り、視野を広げようとする。
そこから今まで見えていなかったことが見えてきたとき――。
沢山の真実が人の数だけ、生まれてくる。
真相に対して、尾能軍曹は最後まで自説に拘りますが。
これは世の中に答えが決して一つではないこと、を語っているような気がしました。
今の世の中、善と悪、黒か白の二拓で、どちらかが正しくて、もう片方は間違いだとクッキリわけがちだけど。
人それぞれに思うことは沢山あっていいと、言ってくれているようで。

「国を愛するならば、それこそ女子供の幸せ(ようするに自国民)なくしてあり得ない」←要訳ですが。

今苦しんでいる自国民を無視したり蔑んだりして、他国の人を敵に回すこと、それのどこが愛国心なんだろうと?
現行の「愛国心」の在り方に疑問を覚える私は、同じように感じてくれる人がこうした形で語ってくれて、
ホッと嬉しくて涙が出そうになりました。とても良かったです。

中尉中尉
(2014/11/29)
古処 誠二

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先日、huluの方でみた映画。
ヒットラー政権下で、抵抗運動をした女学生の最後の数日を描いたもの。
ここでも、現在の日本を見ているかのようで、苦しくなりました。

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