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松原冬夜

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「少年検閲官」北山猛邦著


「少年検閲官」北山猛邦著

何人も書物の類を所有してはならない。もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。僕は書物というものがどんな形をしているのかさえ、よく知らないーー。旅を続ける英国人少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。町中の家々に赤い十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが……。書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。メフィスト賞作家の新境地!

↑内容紹介から。

日本やイギリスという単語が出てきますが、舞台はパラレルだと思ったほうがいいです。
本格ミステリとして読むより、ファンタジーとして読めば、割とすんなりと入れるんではないでしょうか。
戦争が起こって、書物を所有されることが許されなくなった世界故に、人々は「犯罪」というものを知識として知らない。
情報統制された世界にいるので、(「犯罪」が起こっても、それを知らされることはないので)人々はどちらかといったら、無感情。
感情の揺らぎなどがなく、淡々とした人々。目の前で首切り死体が見つかっても、それは「探偵」の裁きだと受け止める。
「ミステリ」を知らない人達にとって「探偵」という存在の意味もわかっていない。
そういった独特の世界観はとても興味深く読めました。
ただ、最終的に事件の動機とトリックのために作られた世界観だという印象が残ったのは、残念だったかな?
この世界だからこその、犯罪であるのは別段悪いことではないと思うんですが……トリック至上主義を感じさせたのは、登場人物の魅力を削ぐような気がするんですよね。
如何にも、この話のために作られたという感じがして、人間臭さが感じられないというか(この作品の世界観では、そんな人間臭さはあまりあり得ないのですけれど)
割と、人間の感情というものを重視しがちな私には、その点がうーんという感じです。
でも、クリスは可愛らしかったです。「ミステリ」を知っている分、「探偵」に対する憧れを持っていて。他の人たちよりは人間ぽい。
そんなクリスとエノの会話部分は、結構、ほのぼのしました。
一応、続き物らしいので、機会があれば読んでみたいかな?

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