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2007(Sat)

「花嫁人形」「風花の里」佐々木丸美著

読感/国内小説


読んだ本の感想です。

「花嫁人形」佐々木丸美著

本岡家には美しい4姉妹の影に、社会とのつながりを断絶された娘・昭菜がいた。家族から虐げられ、読み書きすら知らぬまま成長した昭菜は、普段は冷酷な叔父・壮嗣が見せる密かな愛情だけを心の支えに生きる......。
企業の継承権争いに巻き込まれる少女達の切ない愛を描いた長編ロマン。『雪の断章』『忘れな草』に続く<孤児>4部作の第3弾。

「風花の里」佐々木丸美著

幼い頃に「あか」「あお」「あき」の名を持つ3人の子どもたちを目撃し、記憶に留めていた星玲子(れいこ)。愛猫"とら"と幼馴染・丈に守ら
れ懸命に生きていたが、幼い日の記憶がつないだ縁と、祖父がのこした幻の遺産に翻弄される。星玲子の数奇な運命は----。『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』に続く<孤児>4部作の第4弾。

↑本の内容紹介から。

孤児シリーズ第三作と第四作です。
ええっと、ここまでハマルとは思っていませんでした。
何か、癖になってしまったんですよね。この方の詩的な文章が。
比喩表現が今までに読んだことなかったものなので、よくこんなことを書けるなーと感心したら、他の本も手にとってみたくて。ズルズルと。
正直に言うと、一昔前の少女マンガのようなお話は、時々歯が浮くよ、と思わなくもなかったのですが。愛だの恋だの愛だの――何冊も読んでいると、照れという物がなくなっていました。
私が書いている恋星シリーズは、この作家さんの影響を受けていると思います。
恋愛というものに構えることなく、人の気持ちを追っていけばいいと、思うようになったから。
(ま、恋愛と銘打っていますが……実際、恋愛と呼べるのか?)
……話、それましたね。
えっと、主人公の少女の一人称で語られるお話は、幼少から始まって成長していきます。その過程で揺れる気持ちやら、ライバルの恋心を洞察して細かく描写されています。それ故に、主人公以外にも感情移入してしまう。「花嫁人形」では、藍さん、詩さんが切なかったです……。
「花嫁人形」では、シリーズ第二作「忘れな草」で葵さんが取った行動が、思わぬところで人の運命を狂わせており。
「風花の里」でも、星玲子さんの一言がある人の最期を決めてしまった。
絡み合う運命が痛々しくもありました。
第四作の「風花の里」のラストはそれまでの三作と違って、ホッと息をつけるもので、四部作の最後としては良かったのではないでしょうか。
(他の三作よりは軽い気がするけれど)

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