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2007(Sun)

「カナスピカ」秋田禎信著

読感/国内小説


読んだ本の感想です。

「カナスピカ」秋田禎信著

少女が恋をした相手は、高度2万6499kmから地上に落ちてきた人工衛星だった……。

「もし、ずっと見つからないのなら、カナスピカ」声が震える。息も震える。手も足も、身体も震えていた。止めようっていっても止まらない。「カナスピカ、ずっとここにいちゃ駄目なの? ……一緒に」――<本文より>

↑本の帯から。

「魔術士オーフェン」の作家さんがお書きになられた青春小説です。
加奈の前に落ちてきたのは、隕石に衝突して不覚にも落ちてしまった人工衛星。
この人工衛星は地球のものではなく、別の星の者が観測用に――別に侵略目的とかじゃなく、ただのデータ収集――飛ばしたもので。
人間の少年の姿に変形したりと。
そんなカナスピカに出会った加奈さんは、彼を空へ戻してあげようと奔走するうちに、カナスピカに恋をしてしまうという。
ありえないような設定ですが、カナスピカは結構人間臭くて。
たった五十年で落下してしまったことを恥ずかしい、と(←かなりの屈辱だったらしい)プライドを持った人工衛星。
人の姿をしているので、機械であることを――宇宙人じゃない。人工衛星です――忘れさせてしまうカナスピカは、加奈さんじゃなくっても、何とかしてあげたくなるんじゃないかな?
少しずれたカナスピカとの会話とかも好きです。

見えているようで、見えていない。
見られていないようで、見られている。
それに気がつけば、何かが変わる――そんなお話でした。
(どんなだよ?)
読み終わった後、感じ方が少し変わるかもしれない。
しっかりと余韻を残す作品かと思われます。

カナスピカ カナスピカ
秋田 禎信 (2007/06)
講談社

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