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2007(Thu)

「ずっとお城で暮らしてる」シャーリイ・ジャクスン著

読感/翻訳小説

読んだ本の感想です。

「ずっとお城で暮らしてる」シャーリイ・ジャクスン著

あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉のコニーと暮らしている……。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。“魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間心理に潜む邪悪を描いた傑作。

↑本の内容紹介から。

出版社のサイトにて、紹介されていたこの本。
過去に読んだことがあるような気がして、だけど内容を思い出せずに購入しました。
狂気譚という紹介だったので、ホラーかなと思っていましたが。
ホラーでしたが、悪霊とか不可思議要素は一つもなく。
人間心理の恐ろしさを描いたものでした。
途中で、やっぱり読んだことがあるのに気づき、展開を思い出したため、今回はそれほど怖さを感じませんでしたが。
最初は主人公の女の子に対する村人たちの悪意や、従兄のチャールズが侵蝕していく日常に嫌悪感を覚え、主人公の思考に追随することで、自分の中にある他人を拒絶する心理に気づき。
次第に主人公の無邪気な狂気を知れば、背筋が冷え、理解できないものに対する村人たちとの恐れを理解すれば、何が悪なのかわからなくなる。
表に見えない心が暴かれるのが、怖い。理解できないものが、怖い。それを恐れることによって、歪んでいく人間というものが、怖い。
そう思わせる作品でした。

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫 F シ 5-2) ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫 F シ 5-2)
シャーリイ・ジャクスン (2007/08)
東京創元社

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